中学地理⑤:ヨーロッパ州 ~統合と環境の先進地~
国境を越えてつながる大陸
やあ!コネクトだよ。
次はユーラシア大陸の西側、ヨーロッパ州だ。
ここは、たくさんの国々が「EU(欧州連合)」という一つの大きなチームを作って協力している特別な場所なんだ。自然環境も、産業も、歴史も、すべてが「つながり」の中に存在しているよ。
1. 自然環境:緯度が高いのに暖かい?
ヨーロッパの地図を見てみよう。イギリスやドイツは、実は北海道よりもずっと北、樺太(サハリン)と同じくらいの緯度にあるんだ。
ちさまるの疑問
えっ!? そんなに北にあるなら、冬は凍りついてカチコチになっちゃうんじゃないの? でも、ロンドンの写真とか見ると、雪があまり積もっていないような…
コレクトの論理 de 解説:西岸海洋性気候
鋭い疑問ですね。ヨーロッパが緯度のわりに温暖な理由は、「海流」と「風」のセット効果です。
① 大西洋を、赤道付近から暖かい北大西洋海流(暖流)が流れてくる。
② その暖かい海の上を、西から東へ偏西風が吹き抜ける。
③ 偏西風が、海流の熱を陸地に運ぶため、高緯度でも冬の寒さが厳しくならないのです。
これを西岸海洋性気候といいます。
特徴的な地形
- フィヨルド:北部のスカンジナビア半島(ノルウェーなど)に見られる、氷河(ひょうが)が削ってできた複雑な海岸線。
- アルプス山脈:南部にそびえる険しい山脈。イタリアとその他の国を隔てている。
- 国際河川(こくさいかせん):ライン川やドナウ川のように、複数の国を流れる川。水上交通(船での輸送)に利用される。
2. 農業:気候に合わせた適地適作
ヨーロッパの農業は、気候の違いに合わせて、作るものがはっきりと分かれているよ。
Ping! ヨーロッパ農業マップ
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北部(寒い)
【酪農(らくのう)】
土地がやせているので、牧草を育てて牛や豚を飼う。乳製品やハムを作るよ。 -
中・西部(温かい)
【混合農業(こんごうのうぎょう)】
小麦などの穀物栽培と、家畜の飼育を組み合わせる。フランスやドイツで盛ん。 -
南部(夏に乾燥)
【地中海式農業】
夏は乾燥に強いオリーブ・ブドウ・コルクがし、冬は雨を利用して小麦を作る。
3. ヨーロッパの統合:EU(欧州連合)
ヨーロッパは、かつて二度の世界大戦で激しく争った地域だ。その反省から、「国境を越えて協力しよう」という動きが生まれ、EU(欧州連合)が誕生した。
EUの主な特徴(メリット)
- 共通通貨ユーロ(€):多くの国で同じお金が使える。両替の手間がなくなり、経済が活発になる。
- 国境の移動が自由:パスポートなしで隣の国へ行ける(シェンゲン協定)。まるで国内旅行のように、働きに行ったり買い物に行ったりできる。
- 関税(かんぜい)なし:加盟国同士の貿易に税金がかからない。
EUの課題(デメリット・問題点)
いいことばかりではないんだ。国ごとの経済格差(豊かな国とそうでない国)や、他地域からの移民・難民の受け入れをめぐって、意見が対立することもある。2020年にはイギリスがEUを離脱(ブレグジット)したね。
4. 工業と環境対策
産業革命発祥の地であるヨーロッパは、工業も盛んだ。
- 「青いバナナ」:イギリス南部からイタリア北部にかけての、工業が特に発達した弓なりの地域。
- 航空機産業:フランスのトゥールーズなど、EU諸国が協力して「エアバス社」を作り、アメリカに対抗している。
- 環境対策:酸性雨の被害を受けた経験から、環境問題への意識が高い。風力発電などの再生可能エネルギーの導入が進んでいるよ。
テスト対策のツボ!
ヨーロッパは「統合」と「気候」がキーワードだ!
① 「西岸海洋性気候」の理由(暖流+偏西風)を説明できるように!
② 「地中海式農業」の作物(オリーブ・ブドウ)と雨温図(夏に雨が少ない)をセットで!
③ 「EU」のメリット(ユーロ、移動の自由)と課題(格差、移民)を押さえる!
チャレンジ問題
問1:ヨーロッパ西部の気候を温暖にしている、大西洋を流れる暖流と、西から吹く風の名前を答えなさい。
問2:イタリアやスペインなどの地中海沿岸で行われている、夏の乾燥に強いオリーブやブドウなどを栽培する農業を何といいますか?
問3:EU(欧州連合)で導入されている、加盟国間の多くの国で使われている共通通貨は何ですか?
こたえを見てみる
問1のこたえ:北大西洋海流、偏西風
問2のこたえ:地中海式農業
問3のこたえ:ユーロ